知事への提言

玖珂  八木 謙

Ⅰ、知事への提言 2021/5/18

村岡知事殿
私は産婦人科開業医の八木と申します。
これは昨年11月の話です。
山口県では妊婦が9000人いる。県は無料ですべての妊婦にPCRをやっていいと言ってきた。それは意味がないと産婦人科医会の会員へ伝えた。以下


PCR検査で陽性にでたらもう100%コロナだと断定していい。
これが現在まかり通っている。
以下は昨年11月県の健康福祉部から県内の産婦人科医に送られてきた通達です。
妊婦PCR検査費用を県が負担する。県内の妊婦9000人、有病率0.1%、感度70%、特異度99.9%の検査を行ったとするシュミレーションです。

つまりPCR検査が陽性にでてもその人か本当にコロナである確率は41.2%である。これは県の健康福祉部が認めていることです。
そしてPCR検査が陽性にでてもコロナでない確率は58.7%です。そのことも県の健康福祉部は知っている。知っていて県内の妊婦全員にこの検査を行うことを推奨しています。現場で混乱が起こることは必至です。

計算式を入れたエクセルはこちらです。

このエクセルに妊婦9000人、有病率0.1%、感度99.9%、特異度99.9%と入力してみて下さい。
陽性的中率は50%となります。
感度をここまで上げてもPCR陽性の人が本当にコロナである確率は50%、コロナでない確率は50%です。これを念頭に入れてPCR陽性妊婦に説明しなければならない。
0.1%の誤差は無視してよいとお考えの方もいらっしゃいますがそれは違います。特異度99.9%と特異度100%は数学の世界では大違いです。
このエクセルに妊婦9000人、有病率0.1%、感度99.9%、特異度100%と入力してみて下さい。
特異度99.9%の場合は陽性的中率が50%。特異度100%なら陽性的中率が100%です。
だが特異度100%の検査などこの世に存在しない。(PCRは確定検査ではない)
次に有病率を50%と入れてみて下さい。陽性的中率が99.8%となり、その有病率だとこのPCR検査は有用です。有病率が高い疾病ならこの検査は信頼できる。
しかし実際には有病率0.1%である疾患の検査に陽性的中率が50%であるPCR検査を用い、その結果が陽性的中率100%の検査のごとく扱われている。それは間違いだと理解してなくてはならない。
山口県の健康福祉部はこのPCR検査の信頼度は40%~50%だと認識している事は前述しました。
PCR検査で陽性にでたらもう100%コロナだと断定していい、というのは間違いである。
PCR検査で陽性にでてもその人がコロナである確率は50%である。


以上が昨年11月に書いたメールですが、今回村岡知事は山口県内の全高校生にPCR検査を受けさせようとしておられます。これは山口県内の全妊婦に無料でPCR検査を受けさせようした計画同様無謀なことです。
このエクセルに山口県内全高校生数32000人、有病率0.1%、感度99.9%、特異度99.9%と入力してみて下さい。
陽性的中率が50%です。全高校生数32000人中63人がPCR検査陽性と出ます。しかしその内31人はコロナではない。この検査を高校生全員に行っては現場に混乱をもたらすだけです。
PCR検査は最初の方針どおり肺炎で入院して37.5度の熱が4日間続いた者のみに行うというのが正しい使い方だと思います。PCR検査の発明者でそれによりノーベル賞を貰った故キャリー・マリス博士もPCR検査はスクリーニングに用いてはならないと言っています。罹患率が低い対象では検査の非的中率がうんと高くなるからです。

Ⅱ、知事への提言続き 2021/5/19
これは私の想像。
昨日村岡知事に出した私の提言に知事から質問が来たら。
知事:では君は私にどうしろと言うんだ!
私:①県下のPCR検査全廃止、②ワクチン廃止、(ただ希望者は検査もワクチンもやっていい。ただし自費で)③県下の自粛全撤廃、④3密禁廃止、⑤マスクの強制廃止という政策でいかがでしょう。
知事:キ、君、そんなことしたらどうなると思う。
私:なんにも起こらないでしょう。PCR検査しないんだからPCR陽性者は出ません。もちろん死亡者も増えません。
県下の経済は廻り、こども達は幸せになります。

Ⅲ、知事への提言最終 2021/05/24
緊急事態宣言を解いても何も変わらないとする根拠
日本は単位人数あたりのコロナ罹患率死亡数が欧米の40分の1という低さ。これは事実である。米国と比較すると100分の1。その原因は抗体の違いにあると説明されてきた。民族間に違いはないとされてきたがそれは違うのではないか。民族間で差があるのだ。
「京大驚きのウイルス学講義」宮沢孝幸著p.27
この人は動物学者である。(動物の胎盤の研究でいい仕事をしている)
サルレトロウイルスは1型から8型まで8種類がみつかっている。この中のサルレトロウイルス4型にかかるとニホンザルは全例死ぬ。しかしアカゲザルとカニクイザルは死なない。このウイルスにかかっても平気なのである。なぜこのような結果になったのか。宮沢博士は次のように推測する。ニホンザルは約40万年前に日本列島に入って来た。人間は4万年前に日本列島に入った。40万年前日本列島は大陸から切り離されニホンザルは大陸の生態系から隔絶された。おそらく大陸ではサルレトロウイルス4型がはやり弱いサルは死んでいった。大陸で生き残った強いサルがアカゲザルでありカニクイザイなのである。一方、ニホンザルは大陸から隔絶されていたため、サルレトロウイルス4型が流行せず、ナイーブなままで現在のニホンザルにつながっているのではないかと考えられる。だからニホンザルはサルレトロウイルス4型に強い遺伝子を持っておらず、ニホンザルがそれに感染するとあっという間に死んでしまうのではないか。
ここからは私の推測、同じことがというか逆のことが日本人とアーリア人の間に起こった。約5千年前カスピ海の北方にアーリア人が出現した。強いアーリア人はそこからヨーロッパ、インドへと進出して行った。5千年前のカスピ海のアーリア人の間ではコロナウイルスの流行はなかった。逆に日本列島は5千年前から1万年2万年前の縄文時代にコロナの洗礼を受けた。コロナに強い遺伝子を持った日本人がこの列島で生き延びて来た。つまり日本人はコロナでは死なないのだ。アカゲザルにサルレトロウイルス4型ワクチンを打つことが無意味であると同様日本人にコロナワクチンを打つのは無意味である。1県でもいい、勇気ある知事が緊急宣言を解き県民に通常生活の戻れという政策を取ってみよ。何も起こらなければ全国がそれに追従するだろう。知事に頼らなくとも良識ある庶民が緊急事態宣言はまやかしであると気付けばそうなる。